アナログフィッシュ

08.3.28（金）19：00〜
アナログフィッシュ2008「SIX PISTOLS」FINAL!
恵比寿LIQUIDROOM

もう何と言っていいかわからないくらい、ただただ良かった、感動的だった。アナログがなくならないで本当に良かった。楽しいライブや勢いがあるライブは沢山あるけれど、これはもっと、心の深くまで届いて一生記憶しておけるような、そんなライブ。
文章にまとめていると時間がかかってしまうので、とにかく思い出した順に。
まずメンバーが出てきた時のお客さんの反応が、他に類をみないほど温かかった。ステージを包みこむような拍手と気持ち。以前と同じように演奏前に輪になった時、すでに嬉しくて泣きそうになった。
サポートドラムの森さんが最初に発した挨拶が可愛くて、それで私の緊張もふわっと溶けた。やっぱりアナログには、楽しそうに笑うドラマーが似合う。ドラムの音は前より少し重くて大きかった気がした。
2曲目の「行くのさ」はもともとがとても大好きな曲だけれど、「嫌な気分でも〜」の所のハーモニーが驚くほど素晴らしくて、それを聴いたら何だかたまらなくなって涙が溢れた。今ハーモニーに州さんの声は入ってないけれど、キーボードサポートの木村さんの声も上手く溶け合っていたし、何より下岡さんと健太郎さんの姿がもう、一生懸命で。焦りからくる必死さじゃなくて、今自分たちが持っているものを全部出し切って、最高のものを作り上げようとしているような。そんな感じ。
その後「テキサス」でも感涙。今日はいろんな場面で泣いてしまったけれど、目の前のアナログと会場の優しい空気が嬉しくて嬉しくて、ずっと笑っていた。
下岡さんが演奏しながらたまに、にっと笑うのが大好きで、それを見た瞬間何とも言えない幸せな気持ちになる。あと、下岡さんがメンバーに合図を出すように右手を振るのも好きなんだけど、そういえば昔よく見たのに最近やってなかったなぁと思ったり。たぶん今日は本当に必要だったんだろうな。
実際演奏は、所々ばらけたりずれたり、噛み合ない部分がいくつかあった。ステージ上に4人いる違和感もあったし、州さんじゃない人がドラムを叩いているのが急に不思議に見えたりもした。けど今までと違うのだからそれはごく当たり前の話で、何の問題もない。それを忘れさせるほどこのライブは素晴らしくて、だからもう全然、安心してアナログを好きでいられる事が嬉しい。
下岡さんの新曲「さよなら90's」と「Life Goes On」は何度聴いても名作。あと佐々木さんの「CLAP YOUR HANDS」は最高に楽しい！最後の「アンセム」で、踊りながらまた泣いた。佐々木さんの声は本当に素晴らしい。ただ上手いだけじゃなくて、声から歌に対する誠実さが感じられるし、「世界は幻」を歌われるといつも射抜かれるようで、思わず立ち尽くしてしまう。
下岡さんが珍しく終わりの方で上着を脱ぐと、下にはピンクのTシャツを着ていて、あまりの素敵っぷりに場内が軽くどよめく。男のお客さんが「帽子とって！」と声をかけると「みんな知らないと思うけど、この帽子の中には卵があって、常に温めておかないと腐っちゃうからダメなんだ。」と。あぁ彼が言うのなら本当に卵が入っていて、ニットの下で羽化を待っているのだろうな。私はそう思うよ。
アンコールで「最後1曲だけ」と言っていて、実際終わったらすぐに客電がついて音楽も流れ出したけど、私も含め会場はもう全然そんな気分じゃなくて、構わず拍手を続けていたら、わりとあっさり出てきてくれた（笑
「もう持ち歌無いんだよね」と、本日２度目の「Hello」。そうか、僅かな期間だったしギリギリの曲数しかなかったんだな。でも、「Hello」で始まり「Hello」で終わるのって凄くいい。特に最後のは「ハローロンドン！ハローニューヨーク！〜」というのをお客さんとのコール＆レスポンスでやったりして、楽しかったなぁ。ほんとうに楽しかった。素晴らしいライブだった。