きいろいゾウ

きいろいゾウ

きいろいゾウ

なんとなく表紙が気になって購入した本。

この作家さんは、他の作品ではどんな文章を書くのか気になった。ストーリーがいいわけじゃないし、好きな文体でもないけど、何と言うか、生き生きと呼吸しているような文章で、嫌いになれない。がさつで柔らかい文章。主人公のツマさんの性格は私の嫌いなタイプで、読みながら時々いらっとしてしまうのに、最後の山場では泣けてきた。
この人の書く動物と子供は凄くいい。ゴールデンレトリバーのアホっぽい顔や、クールな野良犬の姿が目に浮かぶし、大地君や洋子がやたらリアルに、魅力的に感じる。大地君がいなかったらこの本は成り立たないくらい。
何だか変わった作家さんだな。