アナログフィッシュ

Fish My Life

Fish My Life

こんなにも発売を心待ちにして、手に取ったときは愛おしさで心が流れ出すようなアルバムが、この先何枚あるだろう。
まだアルバムとしては聴いたばかりだし、でも私は、ライブで聴いて好きだったあの曲もこの曲もが、こうやって無事に丸いCDに収められて私の所にまで届いた事が、本当に奇跡のように嬉しいよ。


ダンスホール」と「Clap Your Hands!」を聴くと、どうしようもなく心が跳ねる。大好きな曲。ダンスホールは2人ともがリードボーカルの曲だけど、歌詞は下岡さんだったのか。歌詞も2人で出したのかと思ってた。
「ほら」と「無力のマーチ」は、たぶん私は初めて聴いたはず。初めてだけど、曲が終わる頃には好きになっちゃうような、両方ともそんな歌詞。
だって「昨日より素晴らしく」だよ。すてきじゃないか!
健太郎さんの歌詞はみんなが手に届く範囲の、形ある言葉が多くて、声も小細工なしで直接届くから、そのせいでどことなく軽く見えてしまうような気がする。でもよく聴くとそうじゃない。気持ちが鬱屈しているような、日が沈みかけているような気配があって、それがとても魅力。だから「いずる」のような四畳半ラブソングを歌わせたら誰もかなわない。
下岡さんは、この人は反対に、ものを見るときの視界を広く広くとっていて、決して攻撃的ではないのに、言葉に強い力が宿る。無力のマーチの歌詞は凄いと思う。
「Sayonara 90's」がこのアルバムの中心で、核になっているんだね。豊夢さんがタイコを叩いてくれた事で、よりどっしりとしてアルバムの中心のネジを締めてる感じがする。途中のラップっぽいとこ好きだったから、今後のライブではそっちのバージョンでもやってくれるといいなぁ。


前にも書いたけど、アナログに関しては「◯◯の方が好き」とか「◯◯だけ見たい」とはならないんだよね。『アナログフィッシュ』という1つの塊として好き。もちろんライブごとに「今日は州さんのドラムさばきが見えるようにセンターだ!」とか「下岡さんの笑顔が見たいから右だ!」とか「健太郎さんの真っ直ぐな目を見たいから左だ!」とかあるけどね。
例え下岡さんだけのアルバムや、健太郎さんだけのアルバムが出ても、たぶん飽きちゃうような気がする。本当に、アナログの醸す雰囲気とバランスと信頼、彼らの繋がりが大好きなんだよ。24日はまさかのクアトロ2ステだったし。一日中渋谷で祭り気分な。