ナツフィッシュ

08.8.24(日)19:00〜
アナログフィッシュ
ナツフィッシュ・マイ・ライフ〜after the gold rush〜
渋谷CLUB QUATTRO

日曜からずっとアナログアナログ言い続けているけれど、まだまだあのライブの幸せで心が満ちているのだから、どうしたってアナログ寄りの思考になってしまうのは仕方が無いよね。じんわりした温かさがずっと続いている感じ。だってあんな魔法を使われたら、私なんか太刀打ちできないよ。


このナツフィッシュは、一生覚えておかないといけないような、恐ろしいライブだった。思い出すたびに温かく優しくなれる、大切なライブ。アナログの人たちと『一緒に作った』という実感がある。たぶんあの会場にいたお客さん全員にあるんじゃないかな。下岡さんは私たちに何度も手を差し伸べて、「みんなにも一緒に歌って欲しいんだ。一緒に踊って欲しいんだ。」と繰り返していた。それはよくあるお決まりの台詞ではなくて、今彼らが心から望んでいるのが伝わるから、お客さんたちは私が経験した事のないような一体感でそれに応えたのだと思う。
今回のアルバムとそれに続くライブのテーマは『みんな一緒に』だよね。愛と希望はみんなで一緒に作るんだよって。ハンドクラップは幸せの象徴。ステージとフロアの双方から『この空間を盛り立てていく!』という強い意志が働いて、クアトロに魔法がかかった。


演奏された曲の中で何より嬉しかったのが「世界のエンドロール」。この曲は複雑すぎて楽譜が作れなかったと言っていたので、州さんがいなくては演奏できないと思っていたから。もう聴けなくなってしまったと思い込んでいたこの曲を、今の4人で確実に届けてくれたことで、『新生アナログフィッシュ』を強く確信できた。この曲に限らず、ビッツ君は本当に気持ちよくアナログの中に溶け込んでドラムを叩いてくれていて、それが嬉しくて嬉しくて、何度も心の中でビッツ君にお礼を言ったよ。たった3週間そこらでこんなにも成長するのか!というくらい、どの曲もレッドクロスの時より数段まとまりがあって強くなっていた。ビッツ君、相変わらずぱくぱくしてたけど、それもすっかり可愛く見えたよ(笑
世界のエンドロールと同じくらい嬉しかったのが、「夕暮れ」。これも暫く聴けないと思っていたのに、あまりにも綺麗な夕暮れで、さらにそこから「無力のマーチ」に繋がる所が信じられないくらい素晴らしくて、涙が溢れた。無力のマーチは、これでもかという程の無力の大合唱で、下岡さんは「無力のマーチなのに全然無力じゃないところがいいよね」って、にこにこ嬉しそうだった。
健太郎さんが「僕の大切にしている曲を2つやります」と言ってから歌ったのは「僕ったら」と「Lover」。やっぱりこの人は凄い。彼ののびやかで力強い声は、けれど温かい優しさを持ち合わせていて、聴く人を安心させる。アンコールでの弾語りでやった「いずる」もそうだけど、声さえあれば他の楽器は何もいらないくらい、全面的に信頼できる。今回はあらゆるメディアで下岡さんが「健ちゃんの声はね、本当に凄いんだよ。」と嬉しそうに語るのを目にしていて、そのお互いを信じあってる様子でまたアナログを好きになってまうのよ。
アルバムには入らなかったけれどライブで聴いて好きだった「SUN」と「Life Goes On」がまた聴けて嬉しかったなぁ!まだまだいっぱい曲あるから、次のアルバムも期待しちゃうね。
この夜の部がここまで素晴らしいものになったのは、昼の部が、もっと言えばレッドクロスのライブあったからこそだと思う。どれも良いライブだったのだけれど、レッドクロスで感じを掴んで、昼の部で下岡さんが呼びかけ、そしてその熱量が夜の部に繋がった。昼のパラドックスは最高に良くて、でも夜のパラドックスはみんなで歌って、昼とはまた違うパラドックスになっていた。どちらも良かったなぁ。


この半年間の、束がまとまりそうなバラけそうなイメージはもうすっかり無くなっていて、キラキラと明るいアナログフィッシュを見られた事が本当に嬉しい。こんなに幸せになれるなんて、彼らを好きで良かったと、強く強く思った。

Fish My Life

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