アナログフィッシュ

08.11.1(土)19:00〜
アナログフィッシュ2008「Fish Your Vibe! TOUR」
会場:渋谷CLIB QUATTRO

アナログライブの後はいつも言葉に詰まる。こんなにも素晴らしいライブを何と言う言葉で表現したらいいのかわからなくて、終演後に友達と合流しても、心からの溜め息と「良かった」というシンプルな賞賛しか出てこない。
このライブを何日も前から本当に本当に楽しみにしていて、だから開演前は始まってしまうのがもったいないと思っていた。アナログのワンマンは奇跡で、奇跡は一瞬で終わってしまう。


ナツフィッシュで会場の空気に慣れているお客さんが沢山いたみたいで、今回は最初から「一緒にライブを作る」空気になっていたのが良かったなぁ。ステージからの音にみんなが応えるという構図は、少し間違うと鬱陶しいライブになりがちだけど、アナログに関してはとにかく温かくて優しい。そういえば一時期変なコールがアンコールで流行ったよね、大嫌いだったけどいつの間にか無くなって良かった(笑 ああいう押し付けがましい感じが全く無いのは、たぶん発信が下岡さんだからだろう。みんなも歌ってね!というように手で煽ってくれる姿は、本当に私たちからの返事を望んでいるように見えるから。
無力もかっとばせ!もどうなんの?も、全ては明るい希望で満ちている。


今夜最高に素晴らしかったのは「ナイトライダー2」
やってくれた事ですでに感動。下岡さんの気が抜けたような緩やかな歌い方が特徴の曲だけど、途中の少し早いところでぐっと力を込めて歌っていて、そこで思わず涙が。下岡さんのああいう歌い方に、弱い。
ずいぶん寝かされ続けている新曲「life goes on」と「SAN」は、また一段と良くなって
いるように思えた。どうか一刻も早く音源にして下さい。あと健太郎さんのもう一つの新曲「ハローグッバイ」も相当良かった。このぶんだと、去年からあるのに次のアルバムにもまた入りきらない曲が出てきそうだよね。この一年で作った曲は、どんな歌詞でもメロディでも強い希望が溢れているよ。


健太郎さんの目力が増していると思ったのは、たぶんちょっと痩せて格好良さ自体が増したせいかな。髪型もまるっとした一義ヘアになっていて、凄い似合ってた。ぜひ現状キープでお願いしたいです。真っ直ぐに前を見据えて、真っ直ぐに届けてくれる声は、本当に綺麗だ。話すのはたいそう下手だけど(笑)彼にはこの声がある。それで十分。でもそのたどたどしいしゃべりも、下岡さんは嬉しそうに聞いていて、ビッツくんも木村さんもにこにこ見守っていて、私たちはがんばれーと応援したくなって、そんな風にみんなを平和にするな。


今日フロアの中央後方から観たのは、ビッツくんをしっかりと見る為。最近ビッツくんの事を考えるだけできゅんとするのです。いろいろ背負いながらも健気に頑張ってくれているビッツくん。今ではこの絆の強いバンドにも完全に溶け込んで、柱としての役割も十分担えているビッツくん。あの曲もこの曲も、彼のおかげで聴けている。本当にどうもありがとう。「世界のエンドロール」はとても大好きな曲だけれど、今日は踊りながらもビッツくんへの感謝を込めて、ドラムをメインに見ていたよ。とても素敵でした。


アンコールもダブルアンコールでもバク転を披露する健太郎さん。私は健太郎さんのバク転を見るのが好き。一番重そうなのに一番身軽に動くのも好き(笑 それを見た下岡さんが中学校の話をしはじめて、そういえば中学からずーっと一緒なんだなぁと思ったら、当事者でもないのに幸せな気持ちになった。
そんな下岡さんは、とろろ昆布みたいなニット帽に、珍しく白いYシャツ。シャツはパンツにインしてた。インは、お洒落イン。スタイルが良い人しかできない高度テク。歌っている時は下岡さんの目線がどこを見ているかがとても気になる。それは健太郎さんだったりビッツ君だったりお客さんだったりするけれど、いろんなものをしっかり見て確認しながら歌っているみたいに見える。そしてたまにニッと笑う。
アンコールの夕暮れがまた良かったな〜。そういえば、久しぶりに「不安」をやってくれて、これも大好きな曲だから嬉しかった。健太郎さんは、こういった四畳半鬱々ソングを歌わせたら敵無し。圧倒的な力強さと安定感を持つ声と合ってるんだろうな。
アナログフィッシュが好き。彼らのいない人生は考えられない。


終演後は約束したわけでもなく、ごく自然に人が寄り集まって結局7人でごはん。こういうのがライブ友達の素敵な所だなぁと思う。来るもの拒まず去るもの追わず。とはちょっと違うか。何となく、居たから会う。みたいなノリが。
あまり気を遣えないのでホスト的な役目は苦手だけれど、最初引き合わせただけであっという間にそれぞれ友達になってるとことかね(笑)凄くいい。大好きだ。