アナログフィッシュ

10.4.23(金)19:00〜
Analogfish 2010 "Life Goes On" TOUR
会場:渋谷CLUB QUATTRO

今までになく特別なライブになるだろうとは、行く前から予想していた。
いくら過剰に期待しても、それを受け止めてくれるだけの素晴らしい光景が見られるだろうと、思う存分期待を寄せた。
でもね、まさかここまで素晴らしいステージをしてくれるなんてね。
想像を超えることが、彼らにはできるんだ。今のアナログフィッシュはこんなにも強固で柔軟で確信に満ちたバンドなんだ。そう思うと嬉しくて涙が出たよ。ライブはもちろん今までで一番の、特別なものでした。


「NOW」の音楽に乗せて4人が出てきた時の盛り上がりで、今日はお客さん側もみんなお祭りムードなのがわかったよ。いつもよりキラッキラしてるんだもの(笑)顔が見えなくてもそう感じるくらい、最初からテンションが高かった。


今回のアルバム曲の中で「曖昧なハートビート」だけライブで聴いた事がなかったから、これは1音も漏らさないようにじっくり聴く。「大きなハサミで切り刻まれて〜」のところで、下岡さんが右手でハサミを作って空をチョキチョキ切っていて、私はそういう下岡さんの身振り手振りが大好きなので、それもしっかり目に焼き付けた。
ここだけではなくて、この日は下岡さんの動きがとても多くて、彼の熱の入った動きを見ては何度も泣きそうになった。クールというわけではないのだけれど、健太郎さんのように熱量垂れ流し(笑)タイプではないので、たまに見せる笑顔とか、力を込めて歌う仕草だとかを見逃したくないと思ってしまう。


このアルバムではとにかく健太郎さんの成長が際立っている。中でも健太郎さんの「ハッピーエンド」と「Ready Steady Go」を他の倍くらい聴いていて、特にハッピーエンドは一番のお気に入り曲だったので、ライブで聴けるのを本当に心待ちにしていた。
だからもうこの時ばかりは、健ちゃんロックオン。と思いきや、この曲はドラムが最高なので、ここぞという時は州さんをガン見。"ここぞ"というのは、セルフライナーノーツでひさしさんも

1:19の「僕の心臓なのさ!」の裏で鳴るビッツくんの
鼓動のようなバスドラムはドッキドキします。
いつもこのサビ前で歌を勢いづかせるためにビッツくん
が渾身でキックを踏んでいたのを知っている。

と書いているサビに入る直前のところで、音源ではビッツ君だけど、州さんのドラム音もやっぱり最高で泣いてしまった。この日はメガネとスティックを何度も飛ばしていたよ。州さんにしか叩けない、光に満ちた鮮やかなドラム。
続く「Ready Steady Go」は、これこそ健太郎さんにしか歌えない革新的な曲だと思う。彼独特の伸びやかで確かな声に、明るい光の中を進んで行くような希望をもらった。


ナイトライダー2が聴けたのもすごく嬉しい!ライブでも何回か聴いているけれど、今回ほど力強い印象を受けた事はないかったよ。全体としては優しくて儚いイメージなのに「今更オゾンは気にしないで〜」のあたりからが、ほんとやばかった。こんなにフラストレーションがかかったような歌い方をしたナイトライダー2は見た事ないと思う。下岡さんのこういう歌い方は、どうしたって胸が詰まって泣けてしまう。


そして今回一番の発見。「kiss」がもの凄く良い曲だった!アルバムの中では少し印象が薄かったこの曲が、まさかこんなに良かったとは…。音源は手を抜いてるんじゃないの〜?と思うくらい(笑)特にサビの盛り上がりが半端なくて、聴きながら思わず硬直してしまったよ。
私の場合、こうやってライブで直接聴くと、CDよりもずっとクリアに歌詞が入ってくるから、それもあるかもね。音源だとメロディの方に流されやすいのだけれど、ライブだとその人が直接言葉を喋っているみたいに捉えられるから。

「Light Bright」の時下岡さんは、最後のララララ〜の意味を教えてくれた。あれは原住民の感謝の踊り、みたいなイメージだそう(笑)「太陽や雨に感謝して輪になって踊っている姿をイメージしながら作ったから、みんなにもララララ〜と言って欲しいんだ」って。そうやってできたハーモニーはとても綺麗で良かったです。

「僕ったら」も大好きな健太郎曲で、これも良かったなぁ。そして何度も聴いているはずの「夕暮れ」が、同じ曲思えないくらい本当に素晴らしくて、「これが今のアナログフィッシュなんだ。アナログとしての最高の姿なんだ。」と感じた。昔より確実に一段高い、別のステージに居る彼らを見られたことが、心から幸せだと思うよ。


このライブでは、ステージとフロアが奇跡のような溶け合いを見せていた。鬱陶しい感じの盛り上がりとは違う、ありがとう!好きだよ!という気持ちが溢れた優しい盛り上がり。小犬が嬉し過ぎてしっぽをぶんぶん振るような、そんなイメージかな(笑)
普通なら1曲終わった後の拍手はすぐに鳴り止むのに、舞台のスタンディングオベーションみたいに、ずっと鳴りっ放しなこともしばしば。ありがとうと伝えたくて、つい長く拍手してしまうのね。アンコールでも、呼び戻すというよりはただ感謝の気持ちを伝えたくてひたすら拍手してしまった。
アナログがいれば、私はこの先も生きて行けると思ったよ。

1.NOW
2.Hello
3.Clap your hands!
4.曖昧なハートビート
5.ハッピーエンド
6.Ready Steady Go
7.Low
8.平行
9.ナイトライダー2
10.kiss
11.僕ったら
12.Light Bright
13.夕暮れ
14.アンセム
15.ダンスホール
16.スピード
17.Life goes on

アンコール1
18.Sayonara 90’s
19.ハローグッバイ

アンコール2
20.最後のfuture

アナログフィッシュ @ 渋谷クラブクアトロ | 邦楽ライブレポート | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト」より

昨日このRO69のライブレポを読んだら、こんな賛辞を贈ってもらえていることが嬉しくて、嗚咽するほど泣いてしまった。自分が褒められるより100倍嬉しいです。


Life Goes On

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