善人査定

 今日は良く晴れましたね。10月最後の日です。
 何となく六本木ヒルズに行きました。これぞ!という名刺入れを見つけて即買いをし、晴れやかに入った喫茶店で私は人格を試されました。
 そこで頼んだのはコーヒーとデザート、お値段¥640。五百円玉のお釣りをもらおうと、¥1140出しました。しかしレジのお姉さんは小銭の方に気を取られたのか、「1万と140円お預かり致します。」と言うではないですか。「ん、私が間違って出したのか?いや、そこにあるのは明らかに千円札。いくら歩き疲れても諭吉と漱石は間違わないぜ。」もちろん店員さんはすぐに間違いに気づくか、もしかしたらただ言い間違っただけかもしれない、とにかくこっちで訂正するまでもないだろうと無言で釣り銭を見守っていた所、その手には大量のお札が。「あっ、数え始めた・・・あっ、その9千円をくれようとしている・・・私に。くれるのなら有り難く貰うべきか、いや、それにしてはあまりに額が大きすぎる。千円出して9千円とコーヒーとデザートを手に入れるというのは、社会の仕組みに反するのでは。しかも知らん顔で受け取ってから、向こうが気付いて精算し直すのはなんとも気まずい。いや、それ以前にその行為は人としてどうなんだろう。」そして私はそこに出したのは千円札であることを指摘し、この良き日に善人でいることを選びました。せっかく素敵な名刺入れを買っても、その2倍強のお金を騙しとったりしたら(別に騙しちゃいないが)なんとなくね。嫌な感じするし。
 それにもしかしたらこれは人生に何度か課せられる善人査定で、何ポイント以下だと良い死に方が出来ないとかかもしれないよ。殺人犯に殺されて死ぬのは絶対嫌だからね。ん、24の見過ぎか?