正しいファーストフード

アメリカ人は正しいファーストフードの食べ方を身につけている、と思う。
それはもう生まれつき彼らに備わった能力なのかもしれない。その中でも、特に若くて綺麗な女の子がポテトやハンバーガーを食べつつコーラを飲む姿は、とてもスマートでチャーミングだ。見ているだけで楽しい気分になる。なぜだかその姿は、日本人の女子が食べるそれとはもう、まるっきり違って映るのです。
 今日外国人が多いベッカーズで見比べていて改めて思ったのだけれど、日本人のファーストフードの食べ方にはどことなくがさつで安っぽい空気が漂っていて、その原因はハンバーガーそのものではなく、手の動かし方、視線、食べっぷりなどの違いではないかと。日本人男性には食事でもおやつでもない物食べてます的な雑な感じがあるし、女性はキレイに事も無げに食べようとがんばっているバリアのようなものが見えてしまう。それに比べてアメリカの方々は、目の前のハンバーガーを受け入れ肯定し、非常に快活に淀むことなく摂取している。すばらしい。こんなに見た目に違いがあるなんて今まで意識した事がなかったけれど、食物は、それがどんな物であっても見ていて美しく食べて欲しい。
 そこにいた1人の、ビバリーヒルズ青春白書みたいな女の子は、それはもうみとれるくらいスムーズに正確にポテトを口に放り込んでいて、その動きが本当にチャーミングだった。カロリーを気にするとか、手に油が付くとか、そういうつまらない考えなど毛頭なくて、ただ女友達と盛り上がりながら美しくポテトを食べていた。
 日本人は上手に豆をつまみ、イタリア人は自在にパスタを食べ、フランス人はスムーズに肉を切り分けるのと同じように、アメリカ人は正しくハンバーガーを食べる。どれも一応出来はするけど、「美しく」となるとどれも同じように難しい事なのです。