言葉にして伝える

店長の移動が正式に決まったと、昨日告げられました。
とても悲しい。
ここ何ヶ月かは出張ばかりであまり店には来なかったし、ぼんやりしている感じで一見頼りにならなそうだけれど、なんだかんだで機械に強く困った時にはやっぱり店長だったのに。
今のスタッフに性格の良い温和な人が集まっているのも、職場の雰囲気のゆるさも、たぶん店長の性格があんなだからだ。若い店長だったから打ち解けた口調で話せて、とりあえずバイト先の上司としては今までで一番良かった。強制的な言い方はしないし、ちょこちょこみんなに奢ったり、わりとスタッフに気を使ってくれていたと思う。
だから「店長がいなくなるのは悲しい、残念です」とちゃんと言葉にして本人に伝えておいた。
これは前にも書いたと思うけど村上春樹の小説の中で、どの作品だったか、「後悔するくらいなら始めからきちんと公平に彼に接しておくべきだったんだ。」という一節があって、確かその中では突然事故で死んでしまった「彼」に言い残した言葉があってのこの文章なのだけれど、私は何故かひどくこの言葉が記憶に残った。
それ以来、誰かの良い点などを見つけたら極力その場で口に出す事にしている。「あなたのこういう所がとても素敵だよ」と、伝えられるうちに伝えておきたい。