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夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

読み出したら途中でやめられなくて朝を迎えてしまった。最近だと伊坂光太郎の「オーデュポンの祈り」やいしいしんじの「ぶらんこ乗り」あたりを電車の行き帰りに読んでいて、それぞれとても面白かったけれど、家に帰ってからも読んだのは久々。
恩田陸の作品としてはこの「夜のピクニック」を最初に読んでみたいと思っていたのに、何故か過去の作品ばかり手をつけていたけれど、やはり多くの人に受け入れられた作品は流行りだからとかだけじゃなくて、それなりの理由があるんだね。
これまで私が彼女の作品に感じていたのは、その世界が身体に馴染むようになると深く入り込んで読めるけど、風景描写が多く文体は少しすましていて線が細い。フォントで例えると「新宋体」*1変な例えだけど。。。
でもこの作品はわかりやすくてロマンチックな青春ストーリーではあるけれど、とても現実と近い空気で、まるで別の人が書いたみたいだった。時間も場所もごく狭い範囲の出来事で、登場人物も最小限。だから読み進むうちに1人ひとりに愛着が沸いて、文体が自然だった事もあり、するすると読んでいるうちに終わってしまった。
映画だとどんな人がどの役をやっているのかが気になって、HPをチェック。
見た目だけで言うと、主役の二人はわりと合ってるな。でも美和子はもう少し色白で線が細い美人が良かった。読んでいる時は忍が一番お気に入りで、いつの間にか森山未来を想像していたけれど、この人も素敵だね。忍は話の中では最後もう少し、何らかの着地をさせてあげても良かったのに。
今度半額レンタルの時にでも借りてみようかしら。

*1:明朝体よりも更に細くすっきりとしていて角張っているフォント、っていうのかな。