少女とガソリン

07.6.21(木)19:30〜22:00
阿佐ヶ谷スパイダース
ザ・スズナリ





私は「革命」という言葉に、どことなく甘美なイメージを持ってしまう。熱い時代のうねりみたいなものを体験してみたかったと思う。まぁ思うだけで、本当にあの時代に生まれていたら、ただ遠くから眺めていただけかもしれないけれど。実際は体育会系の暑苦しさって大嫌いだし。
でもこの公演はまさに、思想と犯罪と希望と狂気がどろどろと渦を巻いている、私の覗いてみたい世界。前回の「イヌの日」もそうだったけれど、長塚圭史の描く『暗い側』には、とても惹き付けられるものがある。
観る前はなぜスズナリみたいな小さな会場なのかと思ったけれど、うらびれたセットを見下ろす狭い会場や、真紅に染まった急勾配の鉄階段も、この空間を盛り上げるのに効果的だった。特にラストは凄く良くて、一瞬目頭が熱くなる。真っ赤な紙がはらはらと舞う中で、殺された人も立ち去った人も含めた全員で歌うところ。なんだかもう、胸がドキドキしてしまった。それは終演後もしばらく続いて、よろけながらカフェに入ってごはんを食べたら、スプーンを持った右手が震えていた。
全体として言えば私はイヌの日の方が面白かったけれど、発せられる力はこちらの方が強かったかもしれない。「日本の女」の上映も観に行きたくなったなぁ。