DVD「MY ROCK'N ROLL STAR」

作・演出:長塚圭史
出演:長塚京三/野際陽子/京野ことみ/猫背椿/中山祐一郎/山内圭哉/池田鉄洋
公演:2002年PARCO劇場http://www.e-oshibai.com/rockstar/index.html

これは。
素晴らしく面白いじゃないの。貸してくれたお友達、本当にありがとう!でもやんなっちゃうよ、こんなに良いお芝居があったのに実際観てないなんて、残念でならない。って、LAST SHOWの時も同じ事言ったけど。
内容は長塚圭史らしく、重い。しかも「松ヶ根乱射事件」の後に見たから尚更で、見ながら窒息しそうだった。なのに面白くてやめられなくて、続けてコメンタリーも見てしまう。
猫背さんがスパイスとして相当効いていると思う。よく通る声で演技にも女優っぽさがある京野ことみとは対照的に、ラフに言葉を吐きながら場面をかき混ぜる。彼女の存在自体に吸引力があって、自然と惹き付けられてしまった。そんな彼女を中心に笑いの要素も細々と入ってはいるのだけれど、なにせ一人一人の闇が強すぎる。長男・太の親に理解されなさ具合なんて、見ててしんどすぎるよ。
けどこれを見て中山さんにますます惚れてしまった。もっと彼の芝居を見たい、あの裏返った声をもっと聞きたい!と活動予定を調べたけれど、ちょっと見るのに迷う舞台しか出てくれないのね。お値段とかがさ。んん〜
ところで当時観客全員が思っただろうけど、こういった作品を父親とやるのはどんな気分なんだろうか。長塚さんはどんな子ども時代を送ってきたんだろう。


翌日また好きなシーンだけを見てしまったけど、こうやって何度も繰り返して見られるのは最後の最後にわずかな救いがあるからだろうな。太の焼け焦げた顔は少し笑っているように見えて、最後に表情を取り戻せたのだったらいいなと思った。この中で一番悲しいのは霧島かもね。こんなに知留子を愛しているのに、完全に邪魔者として排除されてしまった。