火星の倉庫

07.12.6(木)14:00〜/終演後トークショー
ヨーロッパ企画第25回公演「火星の倉庫」
新宿シアターサンモール

過去1度しか行った事のないシアターサンモール、まんまと迷いました。前日トラの道案内*1も見たのに、1本手前の道を歩いていたよ。1度行ったというのが逆に油断に繋がったのね。ゆとりをもって着くはずがギリギリになってしまった。サンモールは思っている以上に、遠い。そのくせ先にDVDBOXとヨロッパ通信を購入して、更に時間がなくなる。でも開演には間に合ってるよ。

以下ネタバレ。







この公演が決まってから、延々待ち焦がれた火星の倉庫。開演前にセットを眺めているだけで、とうとうこの日がきてしまった事に切なくなった。だってこんなにわくわくする大好きなものが、数時間後には終わっちゃうんだもん。箱が積み上げられたセットがとても好み。
全体を通して一番の盛り上がりは子エイリアンの登場シーンでしょ。あそこで会場の笑いが一体になった気がする。

始まりのハードボイルドテイストと言い、ラストのしっとりシーンと言い、いままでの公演とはまたしても違う雰囲気。石田さんと諏訪さんの掛け合いは、どうしてあんなに最高なんだろう。2人が多用する「あいまいな言葉」が大好きなんだよね。「あぁ、アレでしょ。◯◯なやつでしょ?」という言い方は、ものすごい実体がないくせに本人同士は何かわかるという、親密さがある言い方。その内輪ノリっぽい言葉に、独特のゆるい言い方と絶妙な間の取り方が加わると、素晴らしく面白くてぐっとくるんだと思う。

角田さんは今回も気になる存在だった。飄々としたような謎の空気感。あのしゃべり方と動きのせいだねきっと。トークショーの時に質問に上がって初めて気づいたのだけれど、みんな方言じゃなくて標準語で演じてるんだよね。けど角田さんと永野さんだけなんとなく訛ってて、それが私にとっては凄く良いアクセントになっている。特に永野さんの音程は独特で、その発音だからこその面白さがあるんだなぁと、ピラミッダーを観ていてそう思った。

そんな永野さんは早々にドラム缶へ収納されてしまったので顔と声の演技だけだったけど、それでも存在感があった。が、あのドラム缶の小ささとその上に出ている身体のサイズがどうにも不釣り合いで、観るたびに気持ち悪いなと思ってしまった。申し訳ない。

上田さんがどこかで言っていたように、今回酒井さんの出番が少なくて少し寂しかったけれど、迷い無くあっという間に人を撃ってしまうのは恐かっこよくて印象に残った。

そして問題のラスト。巨大エイリアンが出てきてから急に環境問題の話にシフトして驚いた。何と言うか、私は広告やCMでも教訓とか風刺が入っているものが好きではないので、やはりあれだけは違和感を拭いきれなかった。ヨーロッパ企画においてストーリーが急に変わったりする事は全然問題ないのだけれど、その展開先が環境問題というのが微妙で、それはきっと私が環境問題に関するいろいろな報道に対して疑いを持っているから。*2
ペットボトルは無駄に分別するよりは高温焼却できればその方が環境に良いと思っているし、温暖化で海水面が上昇しても陸地が水没なんてしないし、マイ箸を毎回洗剤と水を使って洗うなら廃棄される木で作られた割り箸を使う方がエコな気がする。そんなわけで上田さんはどこまで本気でこれを書いたのだろうかと思ったけれど、トークショーでそれが明らかに。やはり事前にしっかりと調べていて、実は国と国との利権が大きく関わった問題であるとか、今流行っているエコの大半はエコになってないとか、でも個人の意識を高める事には繋がっているとか、そういった事を話してくれたので安心した。うわべだけの知識で急に教訓めいたことを言われたらぞっとしちゃう性格なので、このトークショーを聴けてほんとに良かった。
そういえば女性陣がみんな可愛かったなぁ。衣装もそれぞれ可愛くて。もう1公演観たかったけれど、取っていた東京楽日はお仕事で行けなくなったので友達に譲ったから1公演しか観られなかったのが心残り。でも、代わりにその友達がとても気に入ってくれたので嬉しい。譲った甲斐があったよ。

*1:http://www.europe-kikaku.com/projects/e25/tokyo.htm

*2:環境問題については武田邦彦教授が真実味があって面白い意見を出しています「http://takedanet.com/cat5621932/index.html