ビューティー・クイーン・オブ・リナーン

07.12.20(木)14:00〜16:20(15分休憩)
パルコプロデュース「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」
パルコ劇場
作:マーティン・マクドナー
演出:長塚圭史
出演:大竹しのぶ/白石加代子/田中哲司/長塚圭史

女優2人に惹かれてチケットを取ったらば、黒田勇樹の直前降板によって演出のみだった長塚さんが急遽出演することに。役者長塚圭史が加わって、贅沢感が更に倍増。
けれど観客の9割がおばちゃんなことには少なからず衝撃を受ける。そりゃ平日の昼間から観劇に来れる人なんてあまりいないかもしれないけれど、うっかり歌舞伎を観にきたかと思ったよ。友達同士で来ているおばちゃん達はかなりの割合で、暗転してからもしつこく話し続けるという暴挙に出るのでなるべく近い席には居ないで欲しいのに、今回は周り中囲まれていたので、努めてそこは考えないようにしていた。






やー凄い。恐い。狂女対決に目が離せなかった。
白石加代子が演じる我がままな母親と、大竹しのぶが演じる年増の娘が閉鎖された空間で憎悪をぶつけ合う姿は、かなりの迫力があった。
けれど自分の年齢が娘の方に近いせいか、どう譲って考えてみても100対0で母親が「悪」にしか思えなくて、むしろ血縁とはいえあんな人間を世話してやるなんてと歯痒く感じてしまう。もっと早くに見捨てて自分の人生を歩めばいいのにと思うし、あそこまで自分優先で子供の幸せを一切考えない母親というのも信じられなかった。
逆に周りのおば様方は一体どう思っていたのかというのも気になる。母親側に立って「娘なんだからちゃんと世話してやりなさいよ」とか思うのかな。
長塚さんの演じる落ち着きのない若者が、一歩間違えるとお伽話のようになりそうなストーリーに現実味を加えている。関係ないけど、長塚さんの柔らかい声が好きだなぁ。