音と見た目

鶴の音楽を聴いていた時に、ふと気づいたことがあって。
今まで自分が好きな声と曲調であれば、そのアーティストの見た目なんて関係なくその音楽を好きになっていると思っていた。けどそれ、違ったよ。私はそんなに優秀じゃなかった。
我ながらすごい今更だとは思うのだけれど、少なくともある程度の見た目は込みで「好き」になってたんだよね。
鶴さんは太くてしっかりした声なのに、本人は細っこいアフロメガネたちで、最初はおや?と思ったけれどすぐに好きになった。けれどこれでもし、爽やかスポーツマンタイプとか、すきまの歌ってる人みたいな見た目だったら、最初から拒否して聴いてなかったと思う。
例えばANATAKIKOUの音楽の先にはドラムを叩く藤井さん、アナログの音楽の先には片耳を出してニット帽を被る下岡さんあって、もしここに私が生理的に受け付けないタイプの見た目が思い浮かぶ事になったら、それはもう全然ダメで、1つの塊として成立しないんだ。
だから私の場合、声が合わないと好きになれないのはわかってたけど、先に視覚だけで入ってしまうのも危険なんだと思う。中村一義も最初は好きな見た目じゃなかったから、音から入れたのは幸運だったよ。