ボス・イン・ザ・スカイ

09.6.21(日)14:00公演/終演後トーク付
ヨーロッパ企画
「ボス・イン・ザ・スカイ」
作演出:上田誠
出演:石田剛太/酒井善史/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/山脇唯
会場:青山円形劇場


感想書くので閉じます〜











ゆるかった〜(笑)
今回もゆるくて愛おしかった!!
楽しみにしていたセットは、円形の板いっぱいに組まれた工事現場を思わせる鉄パイプ。それが塔のように天井まで。何これ、すごいかっこいいよ!!そして天井すれすれには、ささやかなドラゴンの腹面。
役者はどこから出るのかと思ったら、ほんのりと明転した後に舞台装置の下からそろりと1人。と思いきや、次から次へとこれでもかというくらいゾロゾロ出てきて、最後の方なんて警戒心もなく惰性で登ってきました*1みたいな様子で、この無駄にゾロゾロする感じがヨーロッパらしくてたまらなく好きだった。
私はCブロックの最前列だったのだけれど、ここ正解席ではなかろうか…というのも、この方向に訪問者が来る設定だったので、役者陣がよくこっちに集まってくれたのです。でもどこに座ってもそんな気がするようにできているのだろうけどね(笑)


舞台上は常にざわついているにも関わらず「何も起きていない」という無駄。上田さんが大学最高説を唱えるならば、私は無駄最高説を提唱するよ。でもこの2つは繋がっている気もするね。大学=無駄(自由)の宝庫。
ドラゴンを倒すという、(昔は)格好良かった光の戦士たちが膨大に紡ぎ重ねる散らかった言葉の、大半は日常の会話だったり。「ラーメン大好き小池さん」というしょーもないいじりや、たべっこ動物に関するいちゃもん、言いたいだけの「渋い」。このだらしのない会話をヨーロッパの面々が言葉を割り振りながらしゃべると、笑いに昇格する。語感の職人集団だ。
ドラゴンとの戦いという非現実の隣では、ブーム真っただ中の大規模ロックフェスが開催されていて、それが混ざり合っているだけで結界が開きそうな不安定さはあるのだけれど、戦士たちはどうにか仲間にばれることなく噂のフェスに行きたがっていて、その「行きたさ」が1人ずつ暴かれていく時の子供じみた攻防が、脱力するほどくだらなくて最高に面白い。土佐さんのかわし方が妙に上手いし!上の渋い人、こっそり聴いてるし・笑!ここらへんが一番好きだなぁ。空気を読まない酒井さんによって、最高潮まで達した歓喜のムードが一瞬でぶち壊される、あの落胆たるや…私まで嗚呼もう!とか思ってしまった(笑)
あとは下から上への伝言リレーや、上のヘッドホンが落ちてきて下で聴こうとするところ、バラバラとたべっこ動物が降り注ぐ唯一のアクションシーン*2など、随所に高さを生かした演出があって楽しかった。
痩せ具合を心配していた諏訪さんは、全然ちょうど良かったです。カウントダウンで見た昔の諏訪さんみたいで、ちょっと若返った感があったよ。猫になるのはどうかと思うけど、今くらいはかなり素敵だと思います。けどわりと前半のシーンで、二階部分から頭を逆さにして何度も一階を覗き込むところがあって、そこで頭から汗がぽたぽた落ちるのがすごい気になった(笑)だってびっくりするくらいの量なんだもん!下に池ができちゃうと、本気で心配になるくらい。代謝が良くなってるってことなのかしらね。
今回は役者が近過ぎてクローズアップして見過ぎたかもしれないので、25日は落ち着いてじっくり味わおうと思います。


で、30分のアフタートークは最初に永野・本多・西村で、あとから上田誠登場。全方向なので、全員がバラバラに客席の方を向いて座って、ほとんど顔を見れずに会話する状態。まぁそれしかないよね・笑。二階部分のヘリに座って足をぶらぶらさせている本多さんと上田さんにときめきました。可愛い。。。何かの妖精かな?
セットの土台部分は人が入れるようになっていて、客入れの前からこの狭いところにみんなで待機してるんだよーとか、面白い話がいろいろ聞けました。10年経って上田さんに飽きられた*3役者陣は「違う一面を見せてくれ」と言われたので、本多さんは「いつもリアクションが薄いから、誰よりも先に元気に返事をするキャラにした」と。永野さんはいつもと違ってみんなをまとめるリーダー役だったので、身体を大きく見せるような動きの為に腹筋背筋腕立てを。にっしゃんはいつもより明るくしていたそうです。おぉう…そうだったか。次はそこにも注目して見てみなければ。
上田さんが混ざると、彼の中だけで設定されている背景や伏線が聞けて面白い。たべっこ動物は塩っぽいから上から浴びると嫌だろうとか、伝わらねー・笑!ブームの中にあるものが「ロックフェス」、昔ブームだったものが「光の戦士」、そしてその流れの外にあるものの代表としての「漬け物」。そう考えると「漬け物が美味かった」、しかも「後味がずっと美味かった」というのは素敵なことだと思えるね。そして一番流行に乗っていた中川さんは、罰として漬け物が食べられなかったと言う(笑)この裏設定にも笑ったわ〜

*1:役どころとしての惰性ね。本気じゃないよ・笑

*2:永野談

*3:これも永野談・笑