三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

そう。名前からすっかり男だと勘違いしていた作家は「恩田陸」です。今まで推理ものやミステリー系は手を出してこなかったので、全然知りませんでした。昨日たまたま写真付きの文庫本を開いて女性だった事に気づき、全てが解決。
その上で読み終えたこの作品。知る前と後では印象が全然違いました。読みやすさという点では、女性と思うとそれまで感じていた違和感がなくなりとてもスムーズに文章が流れていきましたが、一方で今まで魅力的に感じていた何か異質なものがなくなったようで、少し気の抜けた印象になってしまいました。それは誰のせいでもないのだけれど。
ただ、偶然にしろ先に「麦の海に沈む果実」を読んでから「三月〜」を読んだのは順番的に正しかったと思います。